17℃

失敗できる場所

180920 ゆがみの自己認知

雨はそれなりにしっかりと、靴底を濡らすくらいには降っていた。自分は9月の頭から悩まされ続けていた頭痛からやっと解放されて幸せだったから、川に歩いていった。水面はほんのり高くて、流れはずいぶん速かった。丸の内サディスティックのラ行をことごとく巻き舌で歌いながら、河川敷から水の方に進んだ。雨は強くなって毎秒毎秒頭皮を濡らすけど、傘はささない。勢いのある流れの上に手のひらを広げて重ねたら、テンションが最高潮に達してしまった。息をあらげて、次には冷静になって回りを見渡すと、同年代はおろか老人の一人だってきょうの川にはいない。今までの行動に途端に自信がなくなって、急いで傘を開きながら、我を貫けないこういうところは一等自分を悲しいものにするなあ、と思った。